『陳情令』にも『山河令』にも出てくる台詞

私が大好きな華流ドラマ『陳情令』と『山河令』、両方に登場する台詞があります。下記の2つなのですが、どちらも好きなセリフです。さて、どんな訳になっているのでしょうか?

目次

“明知不可为而为之”

『陳情令』ではこの言葉は雲夢江氏の家訓でしたね。“明知不可为而为之”(公式訳→「成せぬを試みてこそ成せる」(11話 江楓眠)この家訓を体現したかのような魏無羨。江澄に金丹を移し、温氏の残党を救い、最後には金光瑶の陰謀を暴きました。

成せぬを試みるからこそ、心に従うからこそ魏無羨は人から叩かれ、排除されます。でもこれからは唯一の理解者である藍湛がずっとそばにいてくれる。よかったね。

『山河令』では12話で周子舒が温可行を信じると決めた時にこう言っていました。“明知不可为而为之,明知人心难测而信之”(公式訳→「不可能と知りつつ挑み 人心は測りがたいがあえて信用する)どちらかと言うと周子舒のほうが警戒心が強そうですが、まっすぐに「お前を信じる」と言いきれるのは、幼い頃、人から愛され人を愛して育ってきたからなのかなと思いました。反対に人から裏切られ、力なき者は殺されるような世界で育ってきた温可行は、表面は明るくても容易には人を信じない。だからこそ唯一信じられる存在である周子舒が彼の光となったのでしょう。

“明知不可为而为之”の出典元は《論語·審門》の“知其不可而为之者”だそうです。

子路宿于石门。晨门曰:“奚自?”子路曰:“自孔氏。”曰:“是知其不可而为之者与?”

子路が石門に泊まった時、門番が問いました。「どこから来た?」子路は答えました。「孔子のところからです。」門番はこう言いました。「あの出来ぬと分かっているのに、それでもやろうとする者か?」(子路は孔子の弟子)

“青山不改 绿水长流 后会有期”

このセリフは中国の時代劇によく登場する別れの挨拶。『陳情令』では50話、山上で藍忘機と別れる時、魏無羨がこう言ってましたね。“青山不改 绿水长流 后会有期”(公式訳→「茂る草木は変わらず 水は絶えず流れ続ける またいつか会おう」)。どんなに離れても、草木が変わらぬように、水は流れ続けるように、俺たちの絆も変わらないという思いがこめられた台詞でした。

『山河令』では2話で張成嶺が周子舒に別れを告げる時に言っていて「いつかまた会おう では お先に」と訳されていたのが1つ。もう1つは36話で周子舒が七爷と大巫に別れを告げる時のセリフで「青山 改めず 緑水 長流する」と訳されていました。

大好きな2つのドラマに共通するセリフがあったので、うれしくなって取り上げてみました。最後まで読んでくださってありがとうございました!

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この記事を書いた人

中国で留学した後、8年半生活し、中国ドラマの字幕翻訳を7年経験、現在は福岡の教室や高校、オンラインで中国語を教えています。

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