先日、友人と話していて中国語検定1級の話になりました。「中検1級はね、とにかく成語なのよ。」と友人の言。「そうか、成語かあ、苦手だな。」と思っていると、「成語はドラマで学ぶといい。」とのこと。それならばちょうど今ハマっている中国ドラマの金字塔「琅琊榜(ろうやぼう)」で学ぼうと思ったしだいです。1話やってみて、かなり大変だということが分かったので、いつまで続けられるか分かりませんがお付き合いいただけると幸いです!
『琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子風雲起こす~』とは
2015年、中国で放送され国民的人気を博した古装ドラマ(全54話)。南北朝時代を模した架空の国・梁を舞台にした後継者争い。江左盟の宗主・梅長蘇は自身の目的を果たすため、その後継者争いの渦中に身を投じ、類まれなる頭脳で知謀をめぐらし、一歩ずつ目的に近づいていくのだった。
まず第1話の成語をひろってみて思ったのが、多い!たぶん取りこぼしもあると思いますが拾えたものだけで14個もありました。しまいには成語じゃない四字熟語も成語に見えてきて…頭がクラクラ。下記の14個の中から特に5つを選び、場面を交えて成語の説明をしたいと思います。
成語 | ピンイン | 意味 |
---|---|---|
匪夷所思 | fěi yí suǒ sī | (言行が)常軌を逸している,並外れている |
死路一条 | sǐ lù yī tiáo | 破滅への道, 望みのない前途 |
金蝉脱壳(解説あり) | jīnchán tuō qiào | もぬけの殻にする,一計を案じ逃走する |
名不虚传 | míng bù xū chuán | その名に恥じない,評判にたがわない |
风云变幻 | fēng yún biàn huàn | (比喩的に)情勢がめまぐるしく変化する |
万变不离其宗 | wàn biàn bù lí qí zōng | 形式は変わっても本質は変わらない |
三顾茅庐(解説あり) | sān gù máo lú | 三顧の礼をとる.礼を尽くして人を迎えること |
信口开河(解説あり) | xìn kǒu kāi hé | 口から出まかせをしゃべる |
网开一面(解説あり) | wǎng kāi yī miàn | 寛大に処置する |
不约而同 | bù yuē ér tóng | (行動・意見などが)期せずして一致する |
戎马半生 | róng mǎ bàn shēng | 戦の中で半生を送る |
雀屏中选(解説あり) | què píng zhòng xuǎn | 求婚者のなかで選ばれた者 |
适可而止 | shì kě’ ér zhǐ | ちょうど適当なところでやめる.物事が行き過ぎないようにする |
情深义重 | qíng shēn yì zhòng | 情が深く、恩義が厚い |
金蝉脱壳
“想金蝉脱壳 没那么容易” xiǎng jīnchán tuō qiào méi nàme róngyì
公式訳→そう易々と出し抜かれてたまるか
卓鼎風の台詞。誉王が籠に乗っていると見せかけて、琅琊閣に向かったことを見抜いたのはさすが!
金蝉脱壳 jīnchán tuō qiào もぬけの殻にする.一計を案じ逃走する.
“金蝉脱壳”とは、もともとは蝉が変態する際、本体が殻を離れて去り、幼虫の抜け殻だけが枝に残ることを指していた。後には、相手に早期発見されないように、偽装して逃げることを比喩的に表現するようになった。
三顾茅庐
“本王便是三顾茅庐恭请于他” běn wáng biàn shì sān gù máo lú gōng qǐng yú tā.
公式訳→三顧(さんこ)の礼をもってでも迎える
琅琊閣から受け取った袋の中の紙に書いてある人物が梅長蘇だと分かり、何としても彼を迎え入れたいという決意を固めた誉王の台詞。
三顾茅庐 sān gù máo lú 三顧の礼をとる.礼を尽くして人を迎えること.
“三顧茅庐”は東漢の末に劉備が諸葛亮を訪ねた逸話から生まれた成語。劉備は三度も諸葛亮を訪ね、彼に天下を共に築くための協力を求めた(「顧」は訪ねること、「茅庐」は草で作った家)。後世では「三顧茅庐」は、心から誠意をもって何度も招待することを比喩的に表す言葉として使われている。
信口开河
“他一向信口开河不懂事” tā yíxiàng xìnkǒu kāihé bù dǒngshì
公式訳→この者は傍若無人で道理の通じぬ男なのです
双殺幇の季幇主の台詞。慶国公の下僕を捕らえようとして梅長蘇に失礼な態度をとり、飛流に船から突き落とされた慶国公の部下についてこう言っています。(梅長蘇の乗っている舟が自動運転っぽくって、さすが!)
信口开河 xìn kǒu kāi hé 口から出まかせをしゃべる
“信口开河”の原義は、言葉を口から出るまま無秩序に語ること。具体的には「信口」は「随口」、口からでまかせにものを言うこと。「开河」はもともとは「开合」で「開いたり閉じたり」という意味で、言葉を発する際に唇が開いたり閉じたりすることを指している。この表現は、言葉に根拠がないか、信頼性に欠けるという状況を表現するために使われる。
网开一面
“还望梅宗主网开一面” hái wàng méi zōng zhǔ wǎng kāi yí miàn
公式訳→どうか お許しを
双殺幇の季幇主が、慶国公の部下の梅長蘇への失礼な態度を詫びている台詞。
网开一面 wǎng kāi yī miàn 寛大に処置すること
“网开一面”という表現は、祝祷が鳥を捕まえるために張った四面の網を、商朝をひらいた商汤が三面解いて一面だけを残したという故事からきている。このことから、広い心で人々の過ちを寛大に許し、処分を軽くすることを意味する。「网开三面」とも言う。
雀屏中选
“最终是谁雀屏中选 全看你的意思” zuìzhōng shì shuí quèpíng zhōng xuǎn, quán kàn nǐ de yìsi
公式訳→最終的に誰を婿とするかは そなたに任せる
霓凰郡主の婿選びについて、梁王が霓凰に言った台詞。(「本心じゃないくせに」という霓凰の表情…)
雀屏中选 què píng zhòng xuǎn 求婚者のなかで選ばれた者
求婚者に2本の矢を射させ、屏風に描かれた孔雀の目を2つ射抜いた者に娘を許婚として与えることを指す。
いかがでしたでしょうか?ブログを書いてみた感想としては、すごく覚えられる!です。そのシーンや台詞にこめられた気持ちを知っているので、成語がスッと入ってくる感じがしました。『琅琊榜』での成語学習しばらく続けてみたいと思います。
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